君への唄
ひかれた僕の名を、必死に呼ぶ君の声が頭から離れない。


涙でぐしゃぐしゃになった君の顔―

そんなに泣いてどうしたんだよ?

僕はここにいるじゃないか。



その涙を拭ってあげたいのに、何故だろう?指が動かないよ。


あれ、指だけじゃない。腕も足も顔も…口すらも動かない。





僕は君をかばって車にひかれた…。
そうか、僕は死んでしまったのか。







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