Butterfly
「・・・あのね」

津島さんが、見かねたように口をはさんだ。
 
「羽鳥さん。うらやましく見えてもね、今度の彼氏は慎重に決めないとダメよ。

貴見は論外だけど、岡本くんみたいな彼氏は、優しくっても相当めんどくさいわよ」

「ちょっ・・・いや、だから、めんどくさいってなんですか・・・」

再び焦る蒼佑さん。

そんな彼を追い詰めるように、さらにみんながにやにや話す。

「マメで優しいとか、最初は女の子喜ぶよね」

「そうそう。なのに途中から突然『ウザい』とか言い出して」

「瀧石さんも、あと1カ月後にはわかんないよなー」

「ええっ!!そんな!!」

ショックを受ける蒼佑さんの肩に、市谷さんが、励ますようにポンと大きな手を置いた。

「・・・まあ、とにかく大事にしてやれ。今回、彼女は色々とつらい思いをしてるから」

「は、はい!もちろん!了解です!!」 

蒼佑さんはまたもピシッと敬礼し、津島さんは「大げさ」とため息をついて呆れていた。

「・・・瀧石さん」

津島さんがそっと私に近づいて、耳打ちするように屈みこむ。

「ね?岡本くんってこんななの。あなたがいろいろ悩む以前に、彼氏としてどうなのか、私から見たら甚だ疑問よ」

津島さんは最後にそう語り掛け、私ににやりと微笑んだ。







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