Butterfly
お小遣いはバイト代のみなので、それでも結構きついところ。

「ほんとにいいの。千穂ちゃんが来てくれるっていうだけで、本当にそれで十分なんだ。

こうやってお願いしてるんだもん。一緒に行ってくれるお礼ってことにしてくれれば嬉しいな」

私の不安が伝わったのか、咲良はそう言うけれど。


(金額が読めないだけに、『ありがとう』なんて気軽に言えない・・・)


それでも、懸命に「それでいいことにして?」と言い続ける咲良に、それ以上、なんて言えばいいのかもわからず。

「じゃあ・・・値段だけ、後で一応教えてくれる?」

「うん、わかった」


(とりあえず・・・それで、出せる範囲でちゃんと払おう)


口にはあえて出さないものの、心にそう決めておく。


(でも、咲良はバイトもしてないし・・・。お金って、きっと全部親からもらってるんだよね。

咲良がホストクラブに行ってるなんて・・・ご両親は知ってるのかな)


「・・・」


(知ってたら、普通行かせないよね・・・)


咲良が大切に育てられてきたのは、今までの付き合いからも十分わかる。

ご両親がホストクラブ通いを許すなんて、絶対にあり得ないと思った。
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