ゆるりゆらゆら恋心




そんなこと言われたら、居ても立っても居られなくなって


「……」


気が付いたら依くんのマフラーを引き寄せるように引っ張って

そのまま唇を這わせるように重ね合わせていた。


「……ほっぺも、冷たい。
どれくらい待ったの」


こぼれる下手くそな笑みは

気恥ずかしさからくるもの。



「でも待った甲斐はあったけど」


依くんの溢れるような笑みを見たら、無抵抗にそれが移って。


その笑みが私の表情から溢れた瞬間が、私の中での喧嘩の終わりだと思った。




「あったかいココア飲みたい」

「飲みに行こ」





一段と寒い日に飲むココアが、きっと仲直りにふさわしい。










END
< 50 / 75 >

この作品をシェア

pagetop