嘘つきは○○の始まり



「ふぅ、相変わらず嵐のような人だ。」



美樹が帰り、部屋の後片付けを済ませソファに腰掛けたとき、携帯が手に当たった。



「あ、そう言えば美樹に携帯奪われてから見てなかった。」




アプリを起動させるが、特に先ほどと変わった様子もない。チャットスペースも当たり前に空欄があるのみ。



「なんだ。そんなに慌てる必要もなかったか。」



少し安心し、適当にページを進めてみる。

どうやら日本だけでなく外国の人も老若男女問わずこのアプリを使っているらしい。



「ふぅん。≪出会い系≫というより≪コミュニケーションを増やす場≫として使われてんのかな。へぇー、みんなちゃんと趣味とかも書いてる。アイコンも適当でいいんだ。」




趣味…趣味ねぇ…。ないなぁ。
あ、ひとつあるな。

女優の三田マナちゃんが好きです…っと。

あとなんだ?
食べることが好き…書いとくか。

これ以上ないな。
アイコンは三田マナちゃんにしとこう。
マナちゃんファンアピールだなこりゃ。



「よし、更新っと。」




名前:なみ
年齢:20代
一言:誰でも仲良くしてくださーい!
三田マナちゃんと食事が好き。





こんなんでいいのか?






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