双姫 Ⅲ

女心



「ねぇ、おねぇちゃん〜。
なんで元気ないのぉ?」


ベッドに潜り込んでる私を突っつく蒼月。


『…ちょっと食べ過ぎただけ。』


「全然食べてなかったじゃん!」


バレてますね…嘘ついてるって……。


「蓮斗にあんな事言ったからぁ~?
でも、本心なんでしょ??」


『本心…。』


確かに俺様は嫌い…。
でも、あの時は悪戯心が強かった気がする。


「もしかして、好きになっちゃった!?」


『な!?んな訳ないでしょ!!??』


いきなり何を言い出すの!
あんなストーカーみたいな奴誰が!!


「嫌よ嫌よも好きのうちって言うからねぇ〜?」


『だから…ハァ……もう寝よ。』


付き合いきれなくなった私は、
蒼月を無視して布団を被って眠りについた。


< 261 / 520 >

この作品をシェア

pagetop