双姫 Ⅲ


ガチャ


扉が開いた方を見る。


「お嬢さん方、お目覚めになりましたか。」


入って来たのは
趣味の悪い豹柄のスーツを着た男。


悪いけどハッキリ言って、超ダサい。


『何か勘違いをなさっている様です。
私達は『樺沢組』なんて知りません。』


「ハハッ!悪あがきか?
『樺沢 類』の娘ってのは調べがついてる。」


樺沢 類?


「お前らを攫って、
脅せば俺らの格が上がるんだよ。」


この男の言っている事が理解できない。
お父さんはジュエリーブランドの社長。

だって、組なんてまるで…。


「組長!!」


「あぁ?」


突然現れた男に苛立ちを見せる豹柄男。


「来ました!」


「ほお?早いじゃねぇーか…。
お嬢さん達を連れて来い。丁重に…な?」


私達は男に担がれ、部屋を出た。


< 45 / 520 >

この作品をシェア

pagetop