初恋は叶わない

保護者<修一視点>

はーっ。

あー、オレまたため息ついてるわ。


胃の中に鉛が詰まったみたいに苦しい。

右へ左へ、規則正しくテニスボールを目で追いながら、

頭の中では全く違うことを考えていた。

みんながはしゃぐ声も、どこか遠く聞こえる。


「どーした?ぼんやりして」


聞かれても答えようがない。


だって、自分でもわかんないんだし。

ただ、目を閉じるとかりんの泣き顔が頭に浮かんで、

胸を掻き毟りたくなるんだ。

あんな顔させるつもりなかった。

なんで、あんなこと言っちゃったんだオレ?

その前に、なんであんなことしちゃったんだ、オレ!

あの日からどうもおかしいんだ。

かりんと偶然、海で会ったあの日から。
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