初恋は叶わない
ちょっと待ってろよ、とだけ言って

公園の外へスタスタと出て行ってしまう早川。

やってしまった。謝らなくちゃ。

どう考えても私のほうが悪いんだし。

でも、なんて言って謝ればいいんだろ。


『ん、眩しい・・・』


早川がいなくなって、

やっと周りの景色を見回す余裕がでてきた。

正確に言えば、早川の体に隠れていたから、

私はその心地よい日陰の中で、

人の目も気にすることなく、

まどろんでいられたのだ。


『優しいな。』


それにしても――、

ここって見たことあるような…

公園?確か坂の一番上にある…

私が横になっているベンチには、

ちゃんと日よけもあって、

足元にはバスタオルがかけてあった。


『優しい』


こういう所が優しいんだよね。
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