わたしの意地悪な弟
彼女と別れ、教室に入った。
そこでやっと一息つくが、彼女の豹変の理由には気付かず仕舞いだ。
あの彼女に何があったんだろう。
また樹絡みで何かあったのだろうか。
不可解なできごとに首をかしげながら、自分の席に着く。
「どうかしたの?」
利香は振り返ると、わたしの様子から何か感じ取ったのか、声をかける。
わたしはさっきのできごとを利香に伝える。
彼女が前に樹のことであれこれ絡んできたというのはあえて伏せていた。どう説明していいか分からなかったし、言いつけのようになってしまうのを避けたかったのだ。
それを聞き、利香は目を細める。
「千波って女の子から密かに人気あるんだよ。樹君の件で快く思わない人もいるけどね」
「そうなの? 人気って」
「アイドル的な、あの先輩可愛いってね」
「可愛くないよ」
「千波の自己評価はおいておいても、客観的には相当可愛いと思うよ。わたしも思うし、よく聞くもの。仲良くなりたいけど、話しかけられないってね。男も女も。樹君がいなければ、もっともてていたと思うよ」
そこでやっと一息つくが、彼女の豹変の理由には気付かず仕舞いだ。
あの彼女に何があったんだろう。
また樹絡みで何かあったのだろうか。
不可解なできごとに首をかしげながら、自分の席に着く。
「どうかしたの?」
利香は振り返ると、わたしの様子から何か感じ取ったのか、声をかける。
わたしはさっきのできごとを利香に伝える。
彼女が前に樹のことであれこれ絡んできたというのはあえて伏せていた。どう説明していいか分からなかったし、言いつけのようになってしまうのを避けたかったのだ。
それを聞き、利香は目を細める。
「千波って女の子から密かに人気あるんだよ。樹君の件で快く思わない人もいるけどね」
「そうなの? 人気って」
「アイドル的な、あの先輩可愛いってね」
「可愛くないよ」
「千波の自己評価はおいておいても、客観的には相当可愛いと思うよ。わたしも思うし、よく聞くもの。仲良くなりたいけど、話しかけられないってね。男も女も。樹君がいなければ、もっともてていたと思うよ」