わたしの意地悪な弟
「わたしね、これからいろいろ頑張ろうと思うの。勉強だってきちんとする。来年受験だからというのもあるけど、わたしは樹と一緒にいるのが一番だと分かってもらうためにも」

 もっともそれが幸せにつながるかなんて今のわたしには分からないが、後悔だけはしたくなかった。樹と付き合い、何よりも恋愛最優先になるのは親の立場からすると受け入れがたいことだろう。

「そんなの千波が頑張らなくても俺が今まで以上に頑張るのに」

 樹は少しあきれたように笑った。

 彼の大きな手がわたしの手の上に重ねられた。

 わたしはドキッとして樹を視界に収めた。

「でも、千波が真剣に考えてくれるのは嬉しいよ。いろいろ大変だけど、頑張ろう」

 樹はもう一方の手で、わたしの髪の毛に触れる。そして、彼はわたしの頬に優しいキスをした。 
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