社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
フロアに行き交う人々。月初めのフロアはいつもよりも人が多い。
数字が並ぶパソコンから一度目を離して、小さく伸びをしていると目の前の電話がなった。
「はい、日芝(にちしば)電器第一営業部。河原(かわはら)です」
私はすぐに受話器を上げ、電話記録ノートに文字を走らせる。
広いフロアでは他の電話も立て続けに鳴り響いている。少し焦りながらも電話の内容に集中する。
朝から息つく暇もないほど、次々と入ってくる仕事を黙々とこなしていた。
日芝電器は海外へも名を轟かせる企業。国内外に支店があり公共事業から小さな街の商店にまで日芝の製品が使われている。
私、河原朔乃(さくの)は、ここ日芝電器第一営業部・第一営業課に勤める二十三歳、入社三年目の二十四歳、営業サポートが主な仕事だ。
肩までの一度も染めたことのない黒髪は、仕事の邪魔にならないようにハーフアップにして、お化粧も得意じゃないから、社会人として失礼のない程度しかしてない。
背は百五十三センチで、童顔。学生時代からどこにいっても妹キャラとして扱われていたのももう慣れた。
私は——自己紹介も簡単に終わってしまうほどの、普通のOL。
でも“普通”でいるために、入社して今まで努力をしてきた。おかげで今となっては、足を引っ張ること無く仕事ができている。(と思いたい)
電話の相手は、営業担当の成瀬(なるせ)さんだった。
数字が並ぶパソコンから一度目を離して、小さく伸びをしていると目の前の電話がなった。
「はい、日芝(にちしば)電器第一営業部。河原(かわはら)です」
私はすぐに受話器を上げ、電話記録ノートに文字を走らせる。
広いフロアでは他の電話も立て続けに鳴り響いている。少し焦りながらも電話の内容に集中する。
朝から息つく暇もないほど、次々と入ってくる仕事を黙々とこなしていた。
日芝電器は海外へも名を轟かせる企業。国内外に支店があり公共事業から小さな街の商店にまで日芝の製品が使われている。
私、河原朔乃(さくの)は、ここ日芝電器第一営業部・第一営業課に勤める二十三歳、入社三年目の二十四歳、営業サポートが主な仕事だ。
肩までの一度も染めたことのない黒髪は、仕事の邪魔にならないようにハーフアップにして、お化粧も得意じゃないから、社会人として失礼のない程度しかしてない。
背は百五十三センチで、童顔。学生時代からどこにいっても妹キャラとして扱われていたのももう慣れた。
私は——自己紹介も簡単に終わってしまうほどの、普通のOL。
でも“普通”でいるために、入社して今まで努力をしてきた。おかげで今となっては、足を引っ張ること無く仕事ができている。(と思いたい)
電話の相手は、営業担当の成瀬(なるせ)さんだった。