社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
「まぁ、そんなもんだ」
「あんなに長蛇の列に並んでまで、プレゼントしたい相手って誰なんですか? やっぱり衣川課長って彼女いらっしゃるんですか?」
まだまだ合田さんの怒涛の質問は続いているが、私はなんだか胸のなかがモヤモヤしてしまう。
もしかして、そこで買ったチョコ……貴和子さんに渡したの? それなのに、私が食べちゃったんだ。
貴和子さんは衣川課長に対して同期以上の感情はもっていないと言っていたけれど、衣川課長の貴和子さんに対する気持ちはわからない。
実らないとわかっていても、好きになってしまうのは止められないのは私がよくわかっている。
今日で部下でもなくなるのに、私ったら未練がましい……。
チクリと痛む胸をごまかそうと、席を立つとちょうど遅れてきた貴和子さんが座敷の入口に見えた。
今さら聞いたってどうしようもない。けれど、このモヤモヤも今日限りだと思うと明日以降引きずらないためにも聞きたいことは聞いておきたかった。
昔から通知表には、粘り強いと書かれたけれどこんなときまでこの性格が発揮されるとは皮肉だな。
パンプスを脱ぐ前に私に気が付いた貴和子さんは、私を見つけると一瞬笑顔になったけれど、私の様子を見てすぐに顔を曇らさせた。