今夜、君にラブロマンスをささげよう。
木の枝々が揺れ、深い緑の葉が擦れ合う。
どこか落ち着かない気分になった俺は踵を返した。
「お呼び出しを申し上げます。3年A組の志月 碧さん。学園長がお呼びです。至急学園長室までお越し下さい」
俺が日々木と別れ、裏庭から正面玄関へと回った時だ。
校内放送が耳に入った。
おそらく、この用件も七瀬さん関連だろう。
「やれやれ、今日はよく呼び出される日だ」
俺は大きなため息をつくと、重たい足を動かした。