バウンス・ベイビー!


 平野に手を出した女の子は誰もいなかった。

 平野が手を出した女の子も誰もいなかった。

 相変わらず私が平野を大好きで、周囲の皆はそれを見守っているって感じだった。

 だから本当にビックリしたのだ。

 断られたってことを、しばらく理解出来ないほどに。



「・・・これでいいのか?」

「ふあ!?」

 私はハッとして、慌てて振り向いた。

 怪訝な顔で平野が私を見ている。手にはさっき指示したつなぎの串。とりあえずやってみて、結果を見せているところ・・・らしい。

「あ!・・・あ、ええーっと・・・はい、そう」

 ワタワタと頷いて、私は冷や汗をかきながら自分の作業へと戻る。

「これ、同じバットに並べていい?」

「うん、はい」

「全部一緒に?」

「だからそうだってば!」

 恥かしさからイライラして、私はついきつい口調になってしまう。また平野からの視線を感じたけれど、もう話しかけるな!のオーラを出して黙殺した。


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