黒い天使。
過ごしていく時間。
さっきの公園から40分ほど走ったところにそのカフェはあった。

ガチャッ

「ただいまー」

「こんにちは」

「おかえりー。遅かったわねーって、どちら様?」


おばあちゃんは笑顔で振り返って疑問符を浮かべた。


「私が向こうにいたとき、お世話になった方よ」


こんなところで真実を告げるわけがない。


「あら、こんにちは。咲愛の祖母です」

「はじめまして。中澤彼方と言います。咲愛さんにはお世話になっています」

「ようこそ、お越しくださいました。どうぞ、お席へ」

「あ、いいんです!」

「まぁ、どうぞ」

「じゃあ失礼します」
< 165 / 167 >

この作品をシェア

pagetop