社内恋愛症候群~小悪魔な後輩君に翻弄されて~
今まで会社の人にどう思われようと、——もちろん嫌われたくはないけれど——仕方のないことだと思っていた。よく思われようと行動していないんだから仕方がないと。

けれど今、彼が私のことをどう思っているのか知りたい。

だから何か期待するような聞き方をしてしまっていた。

若林くんは少し考えるように視線をはずした。答えづらい質問をしてしまったと思いあわてて言葉をかさねた。

「あ、気にしないで。ちょっと聞いてみたいと思っただけ——」

「可愛いですよ」

「……えっ?」

彼の発した言葉に驚いて思わず聞き返してしまう。
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