way of life


「お前、どうして―――」

「よかった!戻って来れなかったらどうしようと思って・・・っ」

「・・・もう、向こうには帰れないんだぞ。よかったのか」



嬉しいはずなのに、どうしてかそんなことを尋ねてしまう。
泣き顔を見られたくなくて、抱きしめた腕に力を込めるシド。




「だって、もうあそこに私の居場所はないから。私の居場所は、ここでしょう?」

「・・・っ、ああ。そうだ。お前の居場所は・・・、ここだ」




確かめるように。
確信を得るように何度もそう言って抱きしめる。

そんな二人を、クロウもこみ上げるものを抑えながら見守っていた。




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