やさしい先輩の、意地悪な言葉
デートしてください
土日の間、神崎さんからの『ダメ女』が頭から消えることはなかった。


隆也からの連絡もなかったし、土日は部屋で本読んだり、料理したりしながらひとりで過ごしていた。



そして月曜日。

相変わらず重い気分のまま、私は普段通りを装って出勤した。



忙しい日ならよかった。
忙しい日なら、慌ただしく働いて、余計なことを考えずに済むから。

でも、こういう日に限って、今日手続きする案件はなく、今月の伝票のチェックとか、キャビネットの整理くらいしかすることがなかった。


なので。


「瀬川さん」


その声に、びく、と体が震えるけど。


「か、神崎さん……」

「ごめん、今ちょっといいかな? 忙しくないよね?」

……そう言われると、「は、はい……」と答えるしかなかった。
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