優しい闇
何処もかしこもイルミネーションで目がおかしくなりそうだ。


皇成はクリスマスの何に浮かれるのかさっぱりわからなかった。


一緒に過ごしたいと言われる事はあっても自らそう感じることはなかったからだ。


車の横をサンタの格好をした若い女性が通った。


案の定チャラい魁斗は目の色変えてガン見している。


「チッ」


舌打ちが聞こえたのかハートの目になっている魁斗がまくし立てた。


「ねぇねぇ、ナンパしてきていい?メチャクチャ可愛い!サンタの格好って俺萌えるんだ」


ここまでアホだとは思わなかった。


本気でこいつを消そうと心に誓った瞬間だった。


「えっ?!えっ?!えー!!何その目!まさか僕を必要ないと思ってる?」


子犬のようにウルウル目でみるこいつがマジで気持ちわりー。


無駄に女顔だからな、この男は。何回か女装姿みたが、その度にナンパされてはぶちのめしてた。


まあ、俺が面白がって女装させてたんだが。


盛大にため息をつき、二丁目の例のビルへ行く指示を出し目を閉じた。


暗闇が支配すれば瞼に浮かんでくるのはあの時の女の顔だった。
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