君に遺された恋
このお城に仕えて15年。


いや、正確には拾われて。か…


私は生まれてすぐ、この城の門の前に捨てられていた。

年の近いレグルス様のお世話をするようになったのは、まだ私が5歳の頃。



働かなければ生きていけない。



本能だろうか、子供心に分かっていた。
自分が拾われた身であること、庭掃除の使用人が拾ってくれていなければ…


私は死んでいたかもしれないこと。
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