君に遺された恋
記憶がもうめちゃくちゃだ。

トリアが笑いながら涙をこぼしてエルナー様の手を握る。


「忘れるなんて嫌だわエルナー様。
一生添い遂げます。と誓ったはずよ?」



その日から王子は記憶と体のリハビリを少しずつ始め、
今の状況を飲み込むようになっていった。

体は異常に弱く、時折血を吐く。

歩くこともなかなかできず、車椅子での生活がメインとなった。



俺達はというと、
あと少しというところで結婚できなかった反動からか
以前にも増してお互いを求めるようになり、
吹っ切れたように「不倫」の関係を築いた。


トリアはエルナー様のリハビリを手伝い、
ひとしきりエルナー様の身の回りの世話を終えると俺を部屋に誘う。

俺を見送る時に我慢できなくて、庭の小さな物置でヤッた事もあった。


エルナー様の「代わり」ではなく、
「不倫相手」として、関係を続けている今
俺は何度もトリアの耳元でささやく。


「愛してるよ。トリア。」
< 173 / 173 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop