強引同期と偽装結婚することになりました
今は、まだ比較的そんなに忙しいわけでもないからシフト勤務でも交代してもらいやすい。

明日は水曜日で比較的暇だろうから今度は私が優木くんの休みに合わせて、明日は優木くんの家にご挨拶に行くことにした。


「緊張しなくてもうちの家はそんな堅苦しくないからさ。それより今日のコレ美味い」


優木くんと会社帰りに買い物に行ってお金を出してもらう代わりに料理を作るという約束をして、いろいろ作ってきたけれどやっぱり上手とは思えないからいつも一口目は緊張する。


今日はパスタ好きの優木くんのためにナスとひき肉のボロネーゼを作った。でも、私は明日のことを考えると食事なんて喉を通らない。


「だから、緊張すんなって。本当、俺の家そんな緊張するところじゃないから、ほらっ、食え。美味いぞ」


「・・・優木くんって、パスタ好きだったんだね。知らなかったよ」


「はあ?あっ、もしかしてヤキモチとか?桐島が俺の好きなもの知ってて自分が知らないのが悔しかったとか。なーんてな」


図星。その通り。好きだと聞いたからパスタを作ってみたけれど、なんだか腑に落ちない。


私の方が付き合いが長かったのに、知らなかったことが悔しい。
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