久瀬くんは〇〇恐怖症
そう返事を返してプリントを持ち、

再び口を開く。

「く、久瀬君」

「ん?」

そう返した久瀬君に、

「話してくれてありがとう。
あとね、久瀬君、全然情けなくないからね」

「…っ…サンキュ」

そう言葉を交わして、ふぅ〜…と息を吐く。

「じゃあ、はじめるね」

「だな。まだまだあるからな…」

「う、うん…
頑張ろう」

そう言って再び手を動かし始めたけど、

さっきと違って私の鼓動がなんだか速くて、

ドキドキと規則正しく鳴っていた。
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