久瀬くんは〇〇恐怖症
「だ、大丈夫かっ?」

思わず胸を押さえた私に

慌ててそう言う久瀬君がイケメンすぎて…

直視できない…

眼鏡かけてもらったほうが落ち着いて話できたかも…

「もしかして酔ったか?」

「う、ううん、大丈夫。ごめんね。
あ、もう着くね。女子はいないみたいだよ」

「…ほんとだな」

そう言って窓ガラスに

なんだか少し名残惜しそうな表情を映す久瀬君を見て

観覧車好きなんだな…と考えて

ガタンっと扉を開かれてからゆっくり下りる。

「楽しかった…けど、走ろうか、久瀬君っ」

「ああ」

そう言って1時半に集合なのに対して1時28分の今、

二人して全力で走りながら、

私はただ鼓動の高鳴りを感じ、

この高鳴りの理由はただ走っているからなのか、

それとも久瀬君と走っているからなのか。

そんなことを考えつつ、

集合場所に着いて久瀬君と別れ、

…目をむいて私を睨む女子たちの間に並んだ。
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