久瀬くんは〇〇恐怖症
「それって私たちが友達って証拠じゃない?」

「…は?」

久瀬君が顔を引きつらせてそう言って私を見る。

「私に慣れてきて、だんだんわかってきたから怖くないんじゃないかな?」

「ああ、けど…」

「それって友達ってことかなって…違うかな?」

そう言って久瀬君と目を合わせる私。

久瀬君は考えに考える表情をして顔を上げる。

「…友達、か」

「うん、多分。
あのね、今日言いそびれたのもそのことなんだ」

「ああ、ランチ買ってもらったときのか」

久瀬君の言葉に頷く。
< 86 / 293 >

この作品をシェア

pagetop