現実世界で捕まえて

「そろそろバレる前に終わらせる。そうだなもう少し貢がせてから」

私の事だよね。

「刺されるって?大丈夫だって、俺に夢中だもの。俺みたいないい男と一緒に過ごせて幸せな女だと……それ笑いすぎ」

楽しそうですね。

「手を出すと後から面倒だから出してないけどさ、そうだな一回ぐらいヤッてやってもいいかな」

ヤッてやってもいいかな?って?

冗談じゃない!
あんたなんかにヤラれてたまるもんですかっ!

ムカムカと怒りがこみ上げて来た。

「身体も地味かもしれないけどなぁ」

爆笑する姿に私の怒りは爆発し


「遠慮します。この最低男!」

会社でこんなに大きな声を出すのは初めてだ。
お腹の底から声を出して
自分の気持ちを吐き出した。

すると
平野課長は驚いて身体を階段の下に向け
仁王立ちする私を見て目を大きくする。

油断しすぎでしょう。
狭い社内では壁に耳ありですよ。
目はどこにあったっけ……まぁいいや。

「留美ちゃん?いや、ちがうよ。今のは留美ちゃんの話じゃない」
焦って転びそうになりながら
課長は階段下の私の元へ飛んできた。

「じゃ誰の話です?誰をだましていたんです?」

「いや……その……でも留美ちゃんではない。俺は留美ちゃんとは本気の付き合いで」

「では今すぐ私と結婚して下さい。課長は本社の常務のお嬢さんと結婚されるんですよね。お嬢さんは私が入れてもらえない課長の部屋に泊まる仲なんですよね。私は課長の財布なんですよね」

「うっ……」

ほら言葉に詰まってる。もう確定だ!



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