陽だまりのなかの僕ら
「あっ!やっと来たー!もう、二人ともどこ行ってたのよ。」
私たちを見て藍実は、ちょっとふてくされたようにふんっと言った。
「えへへ、ごめんごめん。」
隆貴と話してた、なんて言えないし。
「・・・どこって、家の中でしょ。」
隆貴は呆れたように笑う。
「はいはい、そんなの分かってますぅ。私は隆貴を心配してたんじゃないの。し、ま!詩麻を心配してたのよ!生憎ね!」
藍実がツンツンとした態度で言い返した。
―――・・・変わった、か。
「・・・詩麻。こっちおいで。」
どこからともなく、静かで優しい声がした。
「・・・おうちゃん!」
私を包み込む、おうちゃんだけに存在する、この、安心感。
私はこの温もりが、昔から大好き。
「・・・ケホッ・・・もう11時回るけど、どうする?このまま寝る?それとも、何かゲームとかする?」
「・・・そうだね。どうする?」
私は、藍実たちを振り返る。
「ん〜・・・。あたしは寝ようかなぁ。明日委員会の集まりで早いのよ。」
藍実は眠たげに欠伸をして、私たちにお休みを言って2階へ行ってしまった。
「・・・隆貴は?」
「んー、俺は2階で本読んでるよ。明るいところは正直苦手なんだ。」
・・・え?そんなの聞いたことないけど。
「え、ちょ・・・」
「おやすみ。」