陽だまりのなかの僕ら


―――見れば、見慣れた、でもいつ見ても飽きない、きみの姿があった。

トクン、と心臓が音を立てて鳴った。
そのあとに甘酸っぱいような、ほろ苦いような気持ちになって、大きく深呼吸をした。

ころころと笑いながら、おうちゃんはお母さんと会話をしていた。

「おうちゃん」

無性に、そう叫びたくなってしまった。
でもそれは胸のうちにしまって、目が、合うまで静かに待つことにした。

・・・やがてこちらに気付いたおうちゃんが、「詩麻」と言って微笑んで見せた。

「ねえ詩麻。ちょっとお散歩しよう。夜のお散歩。ちゃんとおばさんの許可もとってあるよ。」

全部の言葉、一音一音が、まるで素敵な歌を歌っているみたいにきこえた。
自然と、顔がほころんでしまう。

「うん、喜んで。」



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