ぼっちでも
私の居場所



「おい、起きろ、風邪引くぞ」



左腕をかなり強めに揺さぶられ、私はゆっくりと瞼を持ち上げる。それと同時に少しだけ顔を上げた。



「えっ……と……」



あれ?私……もしかしてここで寝ちゃった?

ゆっくりとテーブルの上から顔をあげる。
まだ起きぬけの頭はそう簡単に動いてはくれないけど状況は何となく理解できた。ぼんやりと辺りを見渡す。


「やっと起きたか。ほら風邪引くと困るからもうここで寝んな」


「………」



斜め後ろを振り返ると視界に彼の姿を捕らえる。
久しぶりに見る彼は少し不機嫌な様だ。

って、私が原因か。



「ご、ごめんなさい」


彼の態度を見て、ついそんな言葉が口を付く。
本当なら『おかえりなさい』って言いたいとこだけど、私達の関係はまだまだそこに辿り着けなくて、私は彼の顔色を伺うようにそう言ってしまったのだ。

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