ぼっちでも
ボーダーライン


結局、あれから目が冴えてしまい眠りにつけなかった私が再び眠りに就いたのは空が白む頃。そして、それから数時間眠りに就いたのち私はのっそりと起き上がった。

「おはよ」

部屋が変わっても結局一人ぼっちには代わりない。だけどいつもの癖でそう口にしてしまう。

「………」

返事は誰からも帰ってこないけど。

でも長年住んでいた家はやっぱり心地いい。結婚を気に彼の部屋に引っ越したけど、なんだかいつまで経っても私の身体に馴染まない。 

どこか空気がよそよそしく、いつまでもお客様扱いの様なそんな疎外感を常に感じていた。

でも、ここは違う。私が生まれ育った家だ。そう言うのは感じさせない。

息苦しさを感じないし、肩に力を入れなくていい。それは安心感から来るものなのかもしれないけど。

それより、息苦しかったんだ。私。

今更知った自分の本心に少し驚いた。




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