ぼっちでも
過去の私と未来の私



少しだけうちの家庭環境を話そうと思う。

うちの家庭は至って普通の………と話したいところだが、私の家は普通の一般家庭とちょっと違うらしい。
物心付く前から親はあまり家に居なかったし、それは当たり前だった。

が、よそのうちではうちのそれは当たり前ではなく、とっても不自然な出来事だったらしい。

それを何となく察したのは小学校に上がってから。

友達の家に遊びに行った時、お母さんお母さんと甘える友達を見た時、何となくうちと違う違和感を感じた。

私にもお母さんは要る。が、いつも家にはいない。

それは当たり前で、でも家政婦さんが居てくれたから寂しい事なんてなかった。
が、友達のそれを見ていると自分がとっても不安な気持ちになるのが分かった。

あんな風に「お母さんお母さん」と私はお母さんに甘えた事はあっただろうか?
もしそれが普通なら私は普通じゃあないのかな?

小学低学年の私はそんな疑問を抱きながらひとまず家に帰った。相変わらず両親は不在で、私の面倒はちょっと年老いた家政婦さんがいつも見てくれていた。
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