* キラ✴︎キラ✴︎星《ヒカル》ひと−kirakira hikaru− *
そのあと私は、梨花とずっといた。



食べることもなくケーキは皿に盛られたまま。

まるで、梨花と聖也のことを象徴されたように寂しく。



助けてあげられない自分。
2人のこと理解して、戻らせてあげたい。




「……ケーキ食べよう」



そう、吹っ切れたのか梨花が頷いた。

サランラップの張られたケーキは、
そのままだ。



しかし梨花の心を解かしてくれたようで、少し笑みが浮かんだ。




「…美味しい」



ケーキをひとくち食べて、聖也との溝を少しでもと言うのが、
梨花の中にあったようにも思う。
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