桜道【実話】
第十二章

別の顔

(ただいま~)


両親が予定より1日早く

帰って来た。



【ナオが来るのは明日

いきなりナオが来て話す

より…あたしから言って

おいた方がいいよね?】



あたしは焦る。



(ほら!お土産買って来

たわよ~)


《あっ…うん!》



【機嫌がいい今のうち?

早く…言わなくちゃ…

ドクン…ドクン…ドクドクッ】



あたしの心臓が

もの凄い勢いで脈打つ。



《あのさ…お母さん…》


(なぁに?)



【ドクッ!!

怖い…ょ…ビクビク】



《ぁ…あたし

赤ちゃんができた…》



お母さんの

動きが止まった。



そして

珈琲を飲んでいた

お父さんの手も止まった。



(本当な…の?)


《うん…病院行った…》



お母さんの

目に涙が溜まっていく。



【ズキン!!

ごめんなさい…グスン

そんな顔しないで…】



あたしは悲しくなった。



バン!!!



【ビクッ!!】



(お前は何やってんだ!

相手は誰だ?!

今から呼べ!!)



お父さんが

テーブルを叩く姿を

初めて見た――――




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