桜道【実話】
―ブッブッブッ―



【ドキッ!!ナオ…】



震えるベルの画面に

ナオの携帯番号が

写し出されていた。


ナオが朝からベルを鳴ら

すの初めてだった。



【ぁぁ…なんか話すの

気が重いな。またナオが

あんな感じだったら

イヤだし…】



冷たい顔のナオが浮かぶ。



【すぐ電話するのも…

ずっと待ってたみたい

じゃん?学校

終わってからにしよ!】



そんな心の中とは反対に

時計ばかりが気になる。



まだ授業中のあたしは

ソワソワしながら

色々考えていた。



【あんな別れ方しといて

昨日は連絡もないし…

ナオの都合ばっかに

合わせてらんないよ!】



あたしはナオからの連絡

を素直に喜べなかった。




喜べなかったのに……




あたしは

授業が終わったと同時に

公衆電話へ

走っていた――――




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