桜道【実話】
ガチャン――



【ドキッ!!】



誰かが

玄関のドアを開けた。



(ナオ!)



男の人の声が部屋のドア

越しに聞こえた。



【うわ…お父さん?】



あたしは緊張してきた。



『あー』


ナオは少しだけドアを開

けた。


(いらっしゃい!)


ドアの隙間から

お父さんの顔がチラッと

見えた。


《あっ…

おじゃましてます!》



お父さんの笑顔はナオと

似ていた。



『タバサお腹空いた?』


ナオの手には

ビニール袋に入った

カレーのお弁当が1つ。


《あっ…まだ温かいじゃ

ん?ナオ食べなよ!》


『じゃあ

一緒に食べようぜ!』


《うんっ!》





お母さんが死んで…




オバチャンを

この家に迎え入れた。




ナオのお父さんは

想像してたほど嫌な感じ

ではなかった――――





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