悪魔に取り憑かれました。

優しい悪魔

「真珠、上手になったわね」

「でしょー!」



今日は日曜日。


明日はお父さんの誕生日だから、二人でケーキを作ることになった。



ダイヤに教えてもらったように生地を混ぜたら、ふんわりおいしそうなスポンジになった。



「お父さん喜ぶかな?」

「喜ぶわよ、真珠が作ったんだもの」



ホイップクリームを塗っていると、お母さんが言った。



「よくここまで育ってくれたわね」



思わず手を止めてお母さんを見ると、涙が浮かんでいた。



「お、お母さん!?」

「ごめんごめん。でも、嬉しくて。小さい頃からは想像できないくらい元気になって」


お母さんは顔をそらして、目をこする動きをした。
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