10年前の約束。



「ねぇ、子犬のワルツ、弾ける?」


「楽譜があれば弾けるよ。」


「じゃあ弾いてほしい。楽譜あるし!」


「うん、いーよ。」



私たちはテレビを見てる玲音を放って

ピアノのある部屋へ移動した。


「はい、楽譜。」


「ありがと。

凛音ちゃんの方が上手だし

最近弾いてないから恥ずかしいけど。」


「私、子犬のワルツ弾いたことないの。

だから私より上手だよ、絶対。」


私がそういうと大貴くんは微笑んで

ピアノを弾き始めた。



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