10年前の約束。



私がピアノに触る前に

葉山くんはピアノをポーンと鳴らした。


「へぇ、さすがだな。

音はぴったりだな。」


「……………絶対音感?」


「あぁ、まーな。

お前もだろ?」


「え?なんで…。」


「見てりゃわかる。」


「へー…そっか。」


「つーかやるならさっさとやるぞ。

言っとくけど、歯向かうなよ。」


……………怖くて無理です。



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