10年前の約束。



「ところで時間調べた?」


「おう、あと20分。

若干急がねーとな。」


「だね!急ご!」


そう言って私は階段を降りるスピードを早めた。

その時、すれ違いの人にぶつかり、足を踏み外した。


「わっ…!」

落ちる……!



「……………っと…」


……ん?


「あっぶねーな。

お前な、今腕を怪我したらどうすんだよ。

気を付けてろよ。」


気がつけば私の腰に腕がまわされ、

優希に抱き止められていた。


「………わっ!

あ、すみません…。」


近くてびっくりしたー。


私の心臓はうるさいくらいドキドキしていた。



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