オレンジライト〜明るい日々へ〜
それから2時間が過ぎた。
千歌ちゃんは私の手をずっと握ってくれている。
琴音さんの今の状態はどうなんだろう…。
お願い、助かって…。
私は首もとのネックレスをぎゅっと握った。
そして、手術室から藤沢先生が出てきた。
「先生!」
千歌ちゃんが言うとともに立ち上がる。
「千歌ちゃん、よく聞いてね。お母さんは残念だけど亡くなられた…。」
藤沢先生がそう言うと、千歌ちゃんは泣いて私に抱きついた。
「先生…。」
私も涙を少し流し、藤沢先生に言った。
「本当に申し訳なかった。」
藤沢先生が頭を下げた。
「千歌ちゃん…気持ちよく分かる…。」
私が言った。
「分かんないよ…。舞梨奈お姉ちゃんには分かんないよ私の気持ちなんか!」
千歌ちゃんは私にそう言って、走ってどこかへ行った。
「千歌ちゃん!」
私は叫んだ。
「先生…。琴音さんを助けることはできなかったんですか…?」