オレンジライト〜明るい日々へ〜



「えっ…。」


私が驚くと、お兄ちゃんも目を丸くした。




どういうこと…?



どうして私の指紋が…?



私は注射器なんて知らないし、HCU病棟内のゴミ箱にも近づいていない。


「違う、私じゃない…。注射器なんて触ってない…。」



「何かの間違いってことは…?」


お兄ちゃんが聞く。


「俺たちも何かの間違いだと思ってる。舞梨奈ちゃんは絶対にこんなことしないって信じてる。」


瀬崎さんが言った。


「ただ、特捜班以外は真っ先に舞梨奈ちゃんを疑い始めてるの。舞梨奈ちゃんの疑いを晴らすために、特捜班みんな全力で頑張るから。」


利香子さんが言った。


「うん。」


そう言って私はうなずいた。



利香子さんたちが帰った後、私たちも立ち上がり、私はカンファレンスルームの扉を開けようと歩いてお兄ちゃんの横を通り過ぎようとしたとき。



「舞梨奈…。」



お兄ちゃんが言う。



「お兄ちゃん…ごめん、一人にさせて…。」



私はお兄ちゃんの顔を見ずに言って、そのままカンファレンスルームを後にした。



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