綺麗な薔薇には闇がある
死ね……消えろ……


生きる、価値なんて……ない……



昔の記憶がフラッシュバックする


『お前のせいでーーは死んだんだ』

『ーーを返してよっ!!』

『お前が代わりに死ねば良かったのにっ!』

『あんたと関わった人は皆、死ぬんだ! 悪魔!』


『──人殺しぃ!!』



頭が……胸が…………痛い……



よろけながら立ち上がると、気付けば私は走り出していた


足が勝手に動き続ける


そして着いた場所は……



屋上へと繋がる扉の前だった



ドアノブを回してみると、偶然か必然か、鍵は開いていた



…………


神様は私に……


死んで、ほしいんですね


お望みとあらば……


私はそうして、屋上へと繋がる扉をゆっくりと開いた───
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