神様、どうか。


驚いて頭を上げようとすると、ものすごい頭痛と吐き気に襲われた。

頭痛い、気持ち悪い。


風邪とは違う独特のこの感じ。

二日酔いだ。


現実を見たくなくて、ふわふわの毛布の中に潜る。

多分これもうちの商品だが、今はそんなことどうでもいい。


そーっと、隣に人が居ないか確認してみる。

居ない。でも、微かに温もりを感じる気がする…。


毛布の中で、必死に昨日の記憶を探る。


たしか、昨日は赤木さんに誘われて若手の飲み会に行って、それからカウンター席で赤木さんと二人で飲んで…。


そこからは、記憶に靄がかかっていてなかなか思い出せない。


えっ、この隣の温もりは赤木さんのものではないよね?え?不倫?略奪?どうしよう。

そして、この手はなに?!


軽くパニック状態だったとき、


ーーーーガチャ


「おはよう。大丈夫か?」


寝室の扉が開いて現れたのは、ラフな格好をした社長だった。

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