俺から離れるな
『す、すいません!』
『っつたく、だから女は困るんだよ。長湯が好きでさあ。ほら、さっさと食え。』
『おい、この煮物旨いぞ。』
『み、宮瀬くん。さっきは、わざわざごめんね』
『あ、そうだ。次から宮瀬くんじゃなくて蓮也でよろしく』
『え?どういうこと?彼女でもないのに下の名前で呼ぶのって……』
『じゃあ、お前が俺の彼女だったら良いわけ?そうじゃないの?玲香。』
れっ、玲香!?
『ちょ、ちょっと、何で下の名前なの!?』
『だって別に俺はこだわりないし』
『私にはこだわりがあるの!』
『つまり、お前が俺の彼女ならいいんだろ?なら彼女になれば?』
『えっ。ごめん、悪いけどそういう冗談は通じないから断る。』
『ま、いいや、冗談だし』
『冗談で言わないでよっ!』
『えーっお前のあの顔面白いからこれからも言うわ』
『もう!』
そう言うと、ふたりは笑い出した。