甘々王子と黒王子
番外編

るーちゃんのバレンタイン

「おい」

「……?
そうちゃん?」

私に何かをくれ、というように手をつき出すそうちゃん。

「どしたの〜?」

「今日、バレンタインだろ」

「そう言えばそうだったね〜
それで〜?」

「お前
くれねぇのかよ」

「何でそうちゃんに〜?」

「何でって……」

「まだ忘れたわけじゃないから〜」

「あれから一年以上経ったのに?」

「うん〜」

本当は用意してる

でもなんとなく渡しにくい……

「あと何年たちゃあいいんだよ」

私がそうちゃんといてドキドキしなくなるまで……

きっとそれは

一生来ないんだろうけど
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