【⑤おまけ】オオカミさんの新婚事情 上司とイキナリ結婚したら。
「それはですねえ…」

今の蕩けた頭では、蕩けたセリフしか言えない。

「あれです。私は貴方にメロメロで…、貴方は私にゾッコンだって事ですよ…」

彼はまるで、少年のように戸惑いを隠さず、眉尻を下げて首を傾げた。

ああ、もう。

そんな無防備な、カワいいお顔をしないでください。

もっともっと、好きになってしまうじゃないですか。



「ホラね、よく言うでしょ。…“愛情は最大級のビヤク”だって」

偉そうに、こないだ美容院で読んだ雑誌の講釈を垂れる。

もしやこれは、形勢逆転なのか?


「…そんな…もんか」 

「そんなもんです」


ふあっ、と欠伸をひとつ。

今夜は…彼の腕に抱かれて眠れる。

それはきっと、シアワセだろう。



「……疲れている所を悪いんだが…」

え?

「検証したい。もう一度、試させて貰えないだろうか」

え?


 
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