恋じゃないと願うだけ
あたしは信君から大切な友達を奪った。
あたしの存在が信君と武瑠の友情を壊した。
それでも信君は、
彼氏に裏切られ、友達にも裏切られたあたしをずっと気遣ってくれた。
帰り際、信君は言った。
「辛い話しをしてごめん。
でも、ひとつだけ伝えたくて。
あんな奴と別れて良かったんだよ。
だから、あいつの事でもう泣かないで。苦しまないで。
俺に勇気がなかったから武瑠から守ってあげられなかった。本当にごめん」
きっと信君は知っていた。
武瑠は卑怯な別れ方をするだろう。
そして、あたしは武瑠を信じてずっと泣いているだろうって。
だから真実をあたしに打ち明けて前を向いてほしかったんだろうと。
そんなあたしの為に自分を犠牲にした信君の愛情をもっと早く気付いていたら…
そんな風に思うしか心のよりどころはなかった。