1ページ過去編
白い日

目を醒ませば窓の外

白く凝った霧は濃く

馴染んだこの土地が
知らぬ町のように見えて

誘われるようにして外に出た


私の着ていた黒い服

歩くたびきらきらと

水滴が絡まり

ビーズを散りばめたように光を弾く

お姫様にでもなった気分

ふわりとまわれば

白い静寂を鋭く裂く音

黒と白の間に赤が散る


そうか
今日は あの日だったのか


私の消えた日


それは白い日

< 18 / 23 >

この作品をシェア

pagetop