1ページ過去編
お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!

「みたな!?」

扉を開けるとそこには、ちんまい2人の魔女が。

「みたやつは!」

かけ声とともに、

「「まっさーつ!!」」

僕に向かって一斉に飛びかかってくる。

「ストップ!」

大きく息を吸った僕は、今まさに手を振りかぶった魔女たちに、
鼓膜が痛くなるほどの大声で動きを止める。

ビクッとして停止した魔女たちの目の前に、彼女たちの大好物であるチョコレートを差し出す。

途端に2人の目はキラキラしだして、片方に至ってはよだれを…あぁ、垂らすなよー…。

「見逃してくれる?」

ニヤリと笑ってチョコレートの包みをヒラヒラさせると、

「し、しかたない…
ほんらいなら、いのちをうばうところだが、チョコにめんじてゆるしてやろう」

チョコレートに釘付けのまま言って、セリフが終わると同時に僕の手からはチョコレートが消えていた。



いのちって言ったってどうせくすぐりの刑とかだろうけど。
彼女たちの悪戯は甘く見ちゃいけないからなぁ…。

僕は色々思い出して、うっかりしみじみしてしまう。

まったく、僕の妹たちときたら不穏な言葉ばかり覚えて…。

しかも見た目が愛らしいだけに、居丈高な口調はギャップが半端じゃない。
いやでもそこがまた可愛いんだけど!

けどやっぱりまともに育ってよ、2人とも。
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